2013年10月19日土曜日

ふとした時間

1ヶ月1回のブログ更新を誓っていたのに、今回はできなかった。忙しかったのだ。8月末から9月、そして10月と慌ただしいことが続いた。気持ちも安定しなかった。弟が亡くなったためだ。2歳違いの弟である。子供の頃からぼくより優秀で、実際、立派な植物遺伝学の研究で世界的な業績もあげ、さらにこれからと楽しみにしていた。大きな賞を取ったときは、父と母の分も喜んだものだ。その弟が、9月28日朝、息を引き取ったと、出張先の韓国ゴヤンのホテルに家内から電話がきた。その4日前に病院に見舞いに行ったときは、弱っていたがもう少し大丈夫かなと思っていた矢先のことだった。2年前に大腸癌を発病し手術。そのあと、8月の始めまで抗癌剤の治療を受けていた。この春まではすごく元気で、治るかと思っていたのに、弟の癌はこちらの想像を超えた。これで一人になったかと、喪失感がおそった。家内も子供たちもいて、家族的に一人ではないのだが、生まれてから一番長く近くにいた存在なのだ。南禅寺の真乗院というお寺で近親者だけで葬式をした。青空が多い日だった。それから2週間以上経った。気持ちがひどくダウンしているわけではないが、ふとした時間に弟の顔が浮かんでくる。歳をとってくると、こうした映像を伴った「ふとした時間」が増えてくる。弟の死は、一番深い「ふとした時間」になるのだろう。
次回は、書きたいことがいろいろあるので、すご〜く長いブログにする予定。