2010年3月8日月曜日

味噌おでん

3月8日:土日の雨が嘘のような月曜日。土日は大正イマジュリィ学会で愛知県碧南市の藤井逹吉現代美術館へ。豊橋で高校まで育ったのに、行くのは初めてだった。名古屋から東に向かうJRと名鉄が「豊橋」だったので(普通のことなのだが)、何か感慨深く、同行の人たちの目に触れないように電車を見送ってしまう。藤井逹吉は大正から昭和の工芸家で、このところ少し光りが当たってきた。大正のアバンギャルドのよさを体現しているような作家である。その記念美術館を会場に学会。プチ学会なので来る人は少ないが充実した学会だった。ぼく個人として2日間で気になったのは、第一次世界大戦と日本の問題だった。ある発表者の口から出た「第一次大戦の日本における表象の不在」という言葉がひどく気になったのだ。もちろん、何もないわけではないが、第一次大戦は、ヨーロッパにおけるその存在の大きさに比べれば、日本ではひどく影が薄い。これまで漠然と感じてきたことである。その大戦がもたらした光りと影の光りだけを近代日本は受け取ったと思っている。その光りのなかで大正–昭和のコスモポリタリズムが形成されていったのかもしれない。
何かカタイ、ブログになっている。個人ブログのスタイルを見つけるまでには時間がかかりそうだ。ともかく日曜日の夕刻には学会メンバーと名古屋食べづくしをと思って駅地下の居酒屋へ。ただ、その日はこんにゃくの味噌おでんが切れていた。名古屋で一番好きな食べ物なのだ。口の中を幻想の味噌おでんでいっぱいにして新幹線に飛び乗ったのである。

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