2010年9月4日土曜日

パリで夏休み3

パリの短い滞在も終わってしまった。旅行すると何か書きたくなるのは誰も同じ。10日間で3回も書いた。そのパリ夏休み記の最後。出発日の昼間にカフェで書き、ロワシー(シャルル・ド・ゴール空港は現地では、その土地の名前でこう呼ばれる)、最後はここインチョン。
さて、数日前は、夜は寒いと感じたほどなのに、昨日と今日の日中は汗ばむほどだった。こうして、本格的な秋になっていくのだろう(と、書いていたのだが、インチョンはまだ夏だった)。フランスでの休みの過ごし方はほぼ決まっている。昼飯に何を食べようかと考え、友人に会い、本(資料)を探し少し読む、そして「パリ・スコープ」(週間ガイドブック)を丹念に読んで、その日の映画を決める。今回はこれにブログの日記が加わっている。とにかく1日はあっという間にたってしまう。休暇で旅行すると、どこの町でも、まあ、こんな風に過ごすのだが、パリは収穫が多くて楽しい。
ただ、外食がもうひとつ。ミシュラン星付きのレストランなら美味しいものはあるのだろうが、普通、美味しい!と料理に当たるのはまれだ。今回、コースで30ユーロ(3500円くらいか)のちょっと評判だというフレンチにいってみた。もちろん、まずくはないが、ほんとうに普通。今日も夏休み最後だからと思って、よく行くカフェでタマゴマヨネーズの前菜とアントルコット(リブロースステーキ)、そしてビールとワインの昼食をして、しめて36ユーロ。う〜ん、という感じ。これだったら京都のあの店の方がとやっぱりなってしまう。
となると、いつもというわけではないが、パリで日本食(といっても、ラーメンを中心とした食堂)をよく食べる。安くて早くて味が悪くないのでまず後悔が少ない。ぼくのパリでの好物は、有名な日本人街とでも言っていい、オペラ/パレロワイアル界隈のサンタンヌ通りにある、来来軒のワンタン麺。この通りの食堂は行列をなすことも少なくないのに、味のいい来来軒はいつもすぐ入れる。パリ日本食レストランの不思議?これ以外にも2軒ほど日本の食堂に行ったが、ぼくはやはり来来軒派であることを再確認した。このところ増えている韓食(?)にも行ってみたが(韓流ファンとしては行かざるをえない!)、こちらはまだパリでの伝統が浅いのかイマイチ。
何かばらばらな文章になってきたが、最後に本と映画のこと。帰国前日に知り合いのところを訪ねたら突然、「この本どうだ!」といって、現在は19世紀アカデミズムの大家とされるウィリアム・ブグローとジュール・ブルトンの大部なモノグラフを出してきた。19世紀末の刊行。「どうだ」というのは、その2冊とも、タイトル・ページに本の主人公の画家自身がデッサンをしているからである。安い値段で買ったことも自慢したかったのも確実だ。ブグローの女性のデッサンは奇麗だった。自分について書かれた本にデッサンするという習慣があったのだろう(これまで知らなかった)が、ぼくはまだもってないので、ちょっと探してみようという気になる。
パリでの夏休み、最後に観た映画はあのドアーズを扱ったアメリカ製のドキュメンタリーとなった。Tom Dicilloという監督で、タイトルはWhen you're strange。今年度の作品である。熱狂的なファンではなかったが、LPは3枚くらいもっていた。Strange Daysのいくつかの歌はいまでも頭に響いてる。前にオリバー・ストーンのドアーズとジム・モリスンを扱った映画があったが、それよりもずっといい、というより比較をしてはいけないのだが、ジム・モリスンの詩人性や他のメンバーの音楽性も捉えられていて好感がもてた。
夏休み日記はまだまだ書くことがあるが、このあたりで終りにして、明日からは熱帯日本で仕事にはげむこととしよう。

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