2011年10月20日木曜日

パリの韓流、W杯決勝


一度しっかり韓国語を習いたいと思っていたが、時間が合わなかったり、教室がなかったりと、これまで実現できずにいた。それではと、夕方からは時間があるこの機会に、パリで韓国語を習おうと決め、教室を探した。でも、いまだ実現できていない。3つの教室にトライしたのだが、ひとつは受講希望者が多すぎて予約できず、2つ目は模擬授業の教師が何かいい加減なうえ、少し授業料が高かったこと、3番目は、最初OKと言われたのに、何故か満員ですと断りのメール。ぼくが怪しいと思われたのか、あるいは、訪ねた運営機関(すごくわかりにくく看板もあげてないし、不思議な場所だった)の方がおかしいのか、まったく解せなかった。もう少し探してみるつもりだ。
ともかく、このところ、パリの韓流(あのハンリュウというより、一般的に「韓国の」という意味で使うが)は力がある。最初に申し込もうとした韓国文化センター(政府機関)は、授業料が安いこともあるが、登録するのに朝の6時から並ばなくてはならないとかで、昼過ぎに行ったら受付のフランス人女性に、こんなに遅く来るなんてと嫌みを言われてしまった。そんなことはよくあることとして、韓国語を習おうと言う人が増えているような気がする。もちろん、メディアの言う「韓流」は、その程度は知らないが、パリにも入ってきている。そう言えば、少女時代のパリでの歓迎ぶりを何かのニュースで見たことがある。そして、サムスンやヒュンダイ等々の宣伝もいたるところに。昔のソニー、ナショナル、ホンダといった感じだ。勢いのあることは、かっこうよく見えるものだ。勢いは、また「新しさ」を伴う。今の韓流はそういったことだろう。そんな勢いは、若い韓国人がすごく目立つようになっていることとも関係する。その目立ち方は中国人とはまた違う。
そんなパリの韓流の具体的なイベントにも参加してきた。韓国−フランス映画祭。もう6回目だそうで、かなりの人を集めていた。韓国文化会館でするのではなく、普通の映画館の2つのホールを借りて。ぼくもパリに来ると時々行く映画館で、8日間。時間の関係もあるので、ポイントを決めて、ある若い監督をチェックすることにした。Yoon Sung-Hyun(ユン・サンユン)。去年、最初の長編を撮ったというから、新しい世代なのだろう。その短編4つと初長編Bleak Night、そしてdébat(討論という意味だが)、監督とフランスの映画関係者を交えた討論会に参加。長編はまあまあ。討論会で韓国のトレンディーなドラマのこと、当然、ハン・ヒョジュを知っているかどうかを聞きたいと思ったのだが、かなり真面目な討論会で、それもメディア的韓流ではない、もうひとつの韓国映画文化をうたっているので、ちょっと聞けなかった。
映画祭の雰囲気はリラックスしていて、スタッフとして若い韓国人とフランス人がボランティアで参加しているようで、若々しく、変に構えたところがなく、好感が持てた。こうしたリラックスしたスタイルから新しいことは始まるのだと思う。自国の文化を外国に紹介するときの、変に官僚的な手法はもう受けないし、パターン化した、ということは自国文化と構えてナショナリズムぷんぷんのやり方もだめだろう。でも、そんな紹介の仕方はいまでも少なくない。日本関係のものにそんなことを強く感じる。もちろん、韓国もそうしたやり方も多いだろう。しかし、勢いは新しいスタイルもつくりだす。それが大切だと思う。ぼくたちは昔から、いつも「意味」だけを考えてきたのではないか。それは、決定的に言葉に属するが、スタイルはそれだけでなく、身体や感情といった、個人的レベルに関わるはずだ。何かを伝えるとき、息づかいを通して伝えることが必要ではないか。映画祭は、そんなことも感じさせた。
このブログは、こちらに滞在中は、時間にゆとりがあるために、1週間単位で更新しているが、だんだん「パリ便り」になってきている。でも、見る人が少ないと、誰に向けて?などと思ってしまうが、ぼく自身の日記的なものと考えて納得はしている。
そして、今週末、やっとラグビーW杯のラスト。フランスが決勝まで行ったので、それもよろよろしながら、けっこう騒いでいる。決勝はオールブラックスが勝つと、フランス人以外は全員予想しているだろうが、試合は何があるかわからない。そもそもフランスが、決勝まで行けたこと自体が不思議なのだ。実は、ウェールズを応援しだしたのだが、あの(これは見た人しかわからないよね。でも「あの」と言いたい試合だったのだが)フランス戦は見た人の記憶に残るだろう。2007年のアルゼンチンとフランス戦のように。そうした意味では、フランスは変に記憶の回路を刺激するチームだ。他のスポーツでもそうかもしれない。まずは、金曜日のウエールズVSオーストラリア。
今朝は真っ青な空で、息も白い。冬がきている。エッフェル塔の放つ光がピカピカと輝きだしている。

0 件のコメント:

コメントを投稿