2011年8月2日火曜日

おパリ、大韓航空、そしてオリーブパン


昨日パリに着いた。インチョンからの大韓航空はがらあき。あんな少ない乗客の国際便に乗ったことはない。どうしてだろう?と、ちょっと、漠然とした不安に。アテンダントたちがすごく感じがよかったし、全体に前に比べて、すごく進化していたのに。パリに日2便という問題か、それともアシアナ航空とサービスを競っているせいなのか?そんなことも親切で綺麗なアテンダントに聞きたかったが、もちろんできず、音楽を聴いていた。というのも、機内ミュージックのSeo In-Young(誰だとは識別できないのだが)の「セス」(?)というバラードが最高で、繰り返しイヤフォンで聴いていたのだった。眼の方は関空で買った松本清張の『網』。軍隊の記憶を引きずる人間たちの欲望と憎悪、そして捩じれた愛情が戦後の政治と絡まるという筋書きなのだが、途中から、一度読んだことのある小説だとわかってきた。そういえば、松本清張は短編を除いてほとんど読んでいるので、再読になるのは仕方がないか。というより、歳をとってくると再読、再視聴ということは少なくないのだ。その上、そのことを後半になって思い出すのである。まあ、パリとはまったく関係がないが、到着までの機内は、韓流ムードの中での日本戦後史の気分だったのだ。
飛行機は夜の9時にシャルル・ド・ゴール空港に着き、乗客が少ないのであっという間に荷物が出てきて入国。夏時間のせいもあるが、まだ明るい。いつも思うことだが、やっぱりパリだ。この言葉の感じを伝えるのはひどく難しいが、都市の個性という平凡な言葉を使うしかない。もちろん、パリの個性を伝えるのも難しい。ただし、気持ちのいい乾燥度については、そのまま。湿った夏の日本から来るとなおさらだ。そして、世界の天気でチェックした7月のパリよりは暑かったが、それでも快適。かけ布団を首までかけて、冷房なしで寝れるなんて、これ最高でしょう?(誰に尋ねているのか?)。
知り合いの15区のアパートに入るまで6日あるので、それまで別の友人の19区のアパートに。ここの夫婦は1週間のヴァカンスで太平洋沿岸の町に。その空きアパートに10時到着。やっと夜の暗さになったころ、眠たくなって、時差の関係か、今日の朝は6時前に起きてしまった。それではと、家内と、18世紀のルドウーの名建築、ロトンドのあるラヴィレット運河の周辺を散歩。こんなの初めて。「こんなの」というのは、朝早く家内と散歩するということだが、何か老夫婦になった感じもして、少し戸惑う気分も。ヴァカンスの季節なのに、カフェやパン屋は開いていて、そこでオリーヴ・パンとハムとグルイエール・チーズのサラダを買って朝食。これがまた「パリ!」。繰り返すと嫌みになるのがわかっていても、パリだ。ともかく、この都市で2回目の長め滞在をする。このブログもこれからは、その滞在記のようなものに。

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